Blog 本居宣長研究 「大和心とは」 : 『直毘霊』を読む・五(上)



人みなの 物のことわり かにかくに 思ひはかりて いふはからこと

漢国の説は、みな妄なれ共、もと人の智の至る限(かぎり)をもて、測り設けたる物なる故に、聞く人の心に測り思ふ処(ところ)と、親しく近くて、入りやすく信じやすき也。

聖人どもの、己が私智を以て、陰陽乾坤など其外さまざまの説を設(もうけ)て、此(この)天地万物の理をも説(とく)めれ共、そは皆闇推(あんすい)の造り事にて、天道といふも神といふも、ただ理を以て此方よりおしあてに名(なづ)けたるのみにて、実にさる物ありやなしや、さだかならざるが如し。